リバ剣の裏部屋2022

46歳で28年ぶりにリバ剣(当時二段)、現在錬士六段。目標は死ぬまでに八段受審^_^

帰りたい

金曜日の昼下り、突然突き上げる衝撃の後、激しい揺れが襲います。

先祖の遺影が落ち、タンスが倒れ、窓ガラスが割れます。

揺れがおさまり、暫くすると家の近くの役所に勤めてる長男があわてて帰ってきます。

「直ぐに避難しろ!何も持たなくていい、牛に構うな、兎に角逃げろ!」

牛を逃がす暇はありません。

持病の薬も持たずに

あわてて車に乗ります。

二三日の事だ

取り敢えず身の安全だけ確保しよう。

誰もがそう思って

着の身着のままに避難しました。

オヤジの告別式

大熊町町長が焼香に来てくれました。

私が死んでもyutoは来ないでしょう。

大熊町教育長が作業着姿で弔辞を読みます。

「一日も早く大熊町へ帰えれるよう頑張ります。」無念さで声が震えます。

帰りたい

帰りたい

帰りたい

帰りたい

帰りたい

避難している方々の思いはひとつです。

二三日の筈だった。。。

オヤジは骨になりましたが

骨を納める墓に行くことができません。

いつになるか分からないその日まで

会津の避難先の御寺でお骨を預かって頂きます。

帰りたい

帰りたい

帰りたい

横須賀に来ないかと誘っても

決して首を縦には振りませんでした。

大勢の同郷の方々に見送られ

今日三途の川へ旅立ちました。

享年 77歳