坂本 光司著のベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』で感動を呼んだチョークの会社の物語!
日本理化学工業�渇�長の大山泰弘氏の本を読んだ。
50年程前、近くの養護学校から一人の先生が来社した。
その先生は大山氏の会社で2名の知的障害者を社員として採用してほしいと言う。
いわゆる就活にきたのだ。
障害者雇用など今ほど騒がれていなかった当時
正直大山氏は困惑したと言う。
仕事中に何かあったらどうするんだ。「それは無理な相談です。」と
必死に頼み込む先生の就職依頼を拒み続けた。
それでも必死に頼み込む先生
最後には「分かりました。もう就職をとは申しません。でも、せめて働く体験だけでもさせてあげて下さい。あの子たちはこの先、施設に入ることになります。そうなれば一生、働くということを知らずにこの世を終えてしまうのです。」
さすがに大山氏も養護学校の先生のこの言葉には動かされ、二週間程度ならいいかと2名の知的障害者(10代の女の子)の受入れを許可したそうです。
働きに来た彼女達はそれはそれは一生懸命仕事をした。「もういいよ」と声をかけるまで一心不乱に仕事をしたそうです。
その仕事ぶりは真剣そのもの。ちょっとした失敗でも、居場所のないように身を縮ませ、仕事がうまくいき褒めてあげると心から嬉しそうな笑顔をみせてくれたそうです。
そして二週間が経ちました。 すると一人のベテラン女性社員が 「この子達を採用してあげて下さい。私達が面倒みますからお願いします。」と直談判されたそうです。
それが雇用率70%(法定雇用率は1.8%)を誇る日本理化学工業の障害者雇用のスタートでした。
彼らは一生懸命仕事はしますが、言うことを聞かないこともよくあったそうです。
そんな時、「言うことを聞かないと施設へ返すよ」と言うと泣いて嫌がったそうです。
大山氏は当初、彼らのこの現象が理解できなかったと話します。
「施設にいれば楽に過ごすことができるはずなのに・・・」
この気持ちをある時、禅寺の住職に話をします。
すると住職は
人間の究極の幸せは、
・人に愛されること
・人にほめられること
・人の役にたつこと
・そして人から必要とされること
施設で保護されるより、企業で働きたいと願うのは、社会で必要とされて、本当の幸せを求める人間の証なのです。
と話されたそうです。
この時はじめて、大山氏は胸につかえていたもやもやが晴れた思いがした。
これが働くという意味であり、その幸せを感じさせられる職場を提供することが自分の使命と悟ったと話します。
ここまでの話は「日本で一番大切にしたい会社」坂本 光司著でも紹介されていました。以前このブログでも書きました。
本ではその後の今に至るまでの大山氏の障害者雇用に関する思いが語られています。
興味がある方はぜひ一読してみてください。(9月は障害者雇用支援月間です)
あとがきにこんな事も書かれていました。
知的障害のお子さんを持つお母さん達は苦しんでおられる「私がこの子をこのように産んでしまったために・・・」
大山氏はこう答えます。「あなたがこの子を産んでくれたおかげで、私達は多くのことを学ばせていただいたのです。こんなに恵まれた人生を送ることができたのは、お母さん、あなたのおかげですよ。」
剣道を普通に学べることをご両親に感謝しよう。