あるホームページに紹介されていたので、表題の小説を読んだ。
新陰流を創った上泉伊勢守野信綱の話。
若い頃は結構好きで、良く歴史小説を読んだが、最近はビジネスに関連する童門冬二ものを少し。
久方ぶりの時代小説だった。
結構、泣ける場面も豊富。
特に師弟愛は最高。
剣道に参考になる話もふんだんに書かれていた。
その中のひとつを紹介しよう。
新陰流の源流 陰流の師匠
愛洲移香斎久忠との稽古での話し
すべての打ちを読まれて
途方にくれている信綱に
移香斎「若のような疾い太刀筋を見ようと思って目を凝らしたら、その途端に当たっとるがな。ワシが見とったのは若の陰や」
「気は太刀を振るう前に必ず先に動く。・・略・・ 気の動きは表に現れる構えなどにより、はるかに相手の本性を現してるんや。」
なーるほど これが身につけば
我が師匠や もしかしたら館長の面に乗れるかもしれない。
極意のつまったすごい一冊だ。
なにがすごいかと言えば
この小説の作者 海道龍一朗氏は剣道経験者では無いという事。
よほど資料文献を読み漁ったに違いない。
たまにはこう言う本も面白い。
ぜひ一読してみて下さい。
信綱が若い時の立切試合のシーンはまじに泣けるよ。